COVID-19 - 薬局への影響
注文方法の変化による影響
パンデミックは、世界中の多くの人の行動を変えました。自宅にとどまる必要があり、店も閉まっていたため、オンライン注文件数の記録的な増加がみられたのです。これは小売店を含めた医薬品業界にも影響を与えました。
地域の薬局は必要不可欠な公衆衛生サービスを提供しているため、パンデミックの間も営業していました。それにもかかわらず、注文方法の変化の影響を受け、米国では小規模な薬局の90%が連邦政府の援助を申請しなければならない事態に陥りました。そのため薬局は、現在、お客様からの信頼を高め、患者さんの健康をサポートするために、お客様に提供する新しいサービスを模索しています。
一包化包装のメリット
一包化包装は、特にパンデミックのような状況で、小売薬局に多くのメリットをもたらします。個別の一包化包装は、手を触れずに提供することができるため、ソーシャルディスタンスを保つことができるという利点があり、調剤による感染を防ぐ最も衛生的で安全な方法と言えます。また、調剤にかかる時間も短縮できます。ある研究では、処方箋1枚につき約30秒の時間短縮が可能であることが明らかになっています。
服薬遵守率の向上
病院が逼迫している状況では、服薬遵守の低下による疾患を回避することがこれまで以上に重要になっています。現在、慢性疾患の患者さんのうち半数近くが薬を正しく服用していません。これは、医療費を押し上げる原因となるだけでなく、患者さんにとっても大きな健康リスクとなります。一包化包装のサービスを顧客に提供することで、薬局は処方スケジュール全体を管理し、患者さんのためにすべての薬を定期的に(例:毎月)準備することができ、現場での個別の相談や受け取りを回避できます。
未来志向の薬局
新しいサービスや技術を顧客に提供することは、小売薬局の未来を守ることにもつながります。薬局は新しい技術を使うことで効率化を実現し、新規顧客を獲得することができます。そのためのひとつの柱が一包化包装です。一包化包装は手で触れずに提供でき、ソーシャルディスタンスを保ち、服薬遵守率を高めることにつながります。
※海外の情報を掲載しています。すべての内容が、日本にあてはまるものではありません。
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分包するごとにお支払い
患者さんをはじめお客様に先進的なサービスを提供する一包化は、薬局、病院、ブリスターセンターの事業拡大の大きな可能性を秘めています。この新しい技術への投資には、ハードウェアとセットアップへの投資が必要となるため、個々の一包化による服薬遵守率と利便性の向上を高く評価していても、投資収益率について確信が持てないため、投資をためらうこともあるでしょう。
多剤併用者のリスクを低減する
一包化包装のあり方
多剤併用者とは、複数の異なる薬を恒常的に服用している患者さんを指します。定義にもよりますが、少なくとも3〜5種類の薬を服用していることが想定されます。最近のドイツの人口調査(2021年3月)では、平均して4人に1人が多剤併用者で、その割合は年齢とともに増加することがわかっています。