
2021年、ロボット技術で実現されること
2020年は誰にとってもビジネスの展望が変化した年でした。スピード、柔軟性、そして創意工夫が試され、その過程で重要な教訓が得られました。その教訓が、より良い2021年に向けて準備する際に、重要な示唆を与えてくれます。
多くの薬局が自動化技術に頼ることで、調剤件数の増加、スタッフ不足、ソーシャルディスタンスの確保という課題に対応しました。パンデミックでなくとも、調剤ロボットは、その主要機能や提供するメリットにより、事業拡大計画、効率化、エラーの削減と安全性の向上、新サービスの導入、在庫管理の合理化などに間違いなく重要な役割を果たします。
なぜ自動化なのか?
薬局が自動化のメリットを利用する理由は様々です。英国サセックスにあるWitterings薬局のBhamra Das氏は、調剤事業を拡大するために、ロボットに投資しました。しかし、ロボットを導入してからすぐに、自動化による影響がとても広い範囲に及ぶことに気付いたと言います。
「煩雑な作業をロボットに任せることで、チームのスキルを最大限に活用し、本当の意味で患者さんの生活を変えることのできるNHSや民間のサービスに集中することができるようになりました」とBhamra氏はコメントしています。「多くの薬剤師は、訓練を受けた仕事をする時間がなく、やる気を失ってしまいますが、今は来年が非常に楽しみです、新しくできた時間を使って自分のスキルをすべて発揮したいと思っています。チームのみんなもとても喜んでいて、自分たちの力を発揮してくれています」
Stephen McCormick氏は英国エアシャー、ドロンガンで個人の薬局を経営しています。最近、上級テクニシャンを含む3人のスタッフの退職と時を同じくして、同じ村の新しい建物に移転しました。
「この機会に、スタッフのスキルミクスを変更し、ロボットを導入することで、効率を高め、在庫やミスを減らすことにしました。今では、ロボットのおかげで調剤が迅速かつ正確に行われ、日々のストレスが解消されたので、職場ははるかにリラックスした雰囲気になっています。配達された薬は自動で入庫され、在庫は回転し、不良在庫は簡単に識別できます」とStephen氏は説明します。「地元には競争相手がいないので、月7,000件の調剤件数が増加することは期待していませんでした。それでも、スタッフを雑務から解放し、他のサービスを提供したかったので、ロボット導入は非常に有益だとわかりました」
新たな収益の促進
英国の薬局ビジネスモデルは、イングランドのCPCF(Community pharmacy contractual framework)を中心に変革が進んでいます。
CPCFは、患者さんが軽度の病気や健康関連サービスを受ける際に、最初に相談する相手として薬剤師を選ぶように設計されており、この新しい方向性が今後の戦略を決定する上での鍵となっています。在庫管理や調剤業務を自動化することで、フロアスペースやスタッフをより収益性の高い新たなサービスや収益源に振り向けることができます。
英国の薬剤師たちは、最新ロボットの正確性と安全性をすでに完全に信頼しています。ロボットはバーコードとスキャン技術を使ってパックに正しいラベルが貼られていることを確認し、調剤スタッフが調剤を完了します。薬剤師が臨床評価を行う点は変わりませんが、このプロセスはコンピュータによって迅速かつ効率的に管理されています。ここでも、従来のプロセスを再考することで、薬剤師の貴重な時間を他のサービスに振り向けることができるのです。
BD Rowa™システムのバーコードシステムは非常に正確で、ロボットは季節のプロモーションの一部としても使われています。たとえば、クリスマスには子どもたちがクリスマスツリーからバーコードカードを取り出してカウンターに持って行き、スタッフがチョコレートバーを「払出し」するのです。
2021年以降の計画を立てる際には、ロボットが目標達成にどのように役立つかを検討する価値は確かにあるでしょう。BD Rowa™システムは、どのような規模の薬局でも自動調剤のメリットを享受できるよう、試行錯誤を重ねたテクノロジーを搭載したさまざまなモデルを提供しています。
※海外の情報を掲載しています。すべての内容が、日本にあてはまるものではありません。
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